The way so far.








この写真はアリゾナの砂漠の中を何日も走ったときの
一番気に入っている写真です。
前を見ても後ろを見ても地平線までまっすぐな道を走っていると
いろいろなことを考えました。


自分にできることは何だろう。
自分は何のために生まれてきたんだろう。







これは1988年
バーチャルステアリングの試作車が
初めて走ったときの写真です。

私自身で溶接して作った試作車は
あまりにも頼りなくてとても恐かったのですが
徹夜明けのこのとき
グローブもせずに走り出してしまいました。
思ったよりはるかに自由に走ることができて、
嬉しくて嬉しくて走り続けました。
こんなかっこうのまま
ハングオンするほどコーナーに突っ込みました。

最高でした
ほんとに最高でした


佐藤君、君が提供してくれたスクーターのおかげで
僕は人生が変わっちゃったらしいよ。








これが幻の第1号車です。
当時、大学に勤務していた私は
研究テーマとしてこのバイクの研究・開発をしていました。


これは'95年3月、
五反田のデザインセンターに展示したときの写真です。
手前の小さなモデルはスタイリングのスタディです。
(スタディモデルは左が進行方向です)

この試作車は、実は実走モデルです。
これもやはり私自身が溶接して作り上げました。
この実験車両で、私は時速80km/hを体験しました。

ものすごく安定していました。
乗り心地は最高でした。
ピッチングが全くと言っていいほど感じられないのです。
ブレーキング時の姿勢変化も全く無いと言って差し支えないと思います。
レールの上を滑るように走りました。


このとき協力してくれた学生たち、
内山君、斉藤君、中西君には大変感謝しています。








田中さんに出会いました。
彼は私が作った怪物のような第1号車を
(株)DAYTONA阿部社長に提案して下さいました。

阿部社長Monkeyのキットフレームとして
商品化することを決断してくださいました!

以後
DAYTONA開発メンバーと田中さん、そして私が
V.S.Monkeyの開発を行ってきたのです。
写真はV.S.Monkeyの1号車です。








これは試作車製造風景です。
仮組みされたV.S.Monkeyが
初めてそれらしい姿を見せてきました。











これは生産を前提とした車両の試験風景です。
日本大学理工学部の協力を得て
習志野で行いました。






私たちにできることは全てやったと思います。
残念ながら4大メーカーではない私たちの力では
完全なものを作ることはできません。

重量は極限まで軽くはなっていません。
それは絶対に誰にも怪我をして欲しくないから。
機構、設計的に完璧ではありません。
それは価格を抑えたかったから。
組み立てしにくいところがあるかもしれません。
それは私の力が不足していたから。

でもみなさんに新しいバイクで
みなさんが一番好きな道を走って欲しいのです。
そして今までと全然違った風を感じて欲しいのです。

地上50cmを滑空して欲しいのです。
最高だから

(1998.8.)



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